駐車場の確保は、住宅設計における大きな課題です。そこで最近では、建物と一体化した「ビルトインガレージ」が注目を集めています。
ビルトインガレージは、限られた土地を有効に活用できるほか、防犯性も高く魅力的な設備です。しかし、排気ガス対策が必要など、適切な設備がなければ快適なライフスタイルは築けません。
そこで今回は、ビルトインガレージの基礎からメリット・デメリット、注意点までを詳しくご紹介していきます。ビルトインガレージについてお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
ビルトインガレージとは、住まいの一部にガレージが組み込まれた形の駐車スペースを指します。「家の中に車庫がある」という構造となっているため、使い勝手の良さが魅力です。
「ビルトインガレージ」と「インナーガレージ」、ホームメーカーなどの事業者によって呼び名が異なりますが、基本的に同じものです。
どちらも住まいとなる建物にガレージが組み込まれた設計となっています。このように建物内部へガレージを設けた住宅は、「ガレージハウス」と呼ばれるケースも多いです。
住宅の一部に組み込まれるビルトインガレージには、多くのメリットがあります。そこでここでは、快適性と利便性を両立させるビルトインガレージのメリットを解説していきます。
ビルトインガレージを採用すると、上のスペースを居住空間として使えるため、限られた土地を無駄なく活用できます。車やバイクの駐車スペースとしてだけでなく、収納や趣味のスペースとしても活用できる万能空間です。
「大切な愛車を長く美しく保ちたい」という願いを叶えるのがビルトインガレージです。
住宅の屋根と壁に守られた空間となるため、雨の日でも濡れずに車への乗り降りができ、紫外線による塗装の劣化も防げます。鳥の糞害からも車を守れるため、洗車の手間も大幅に減らせる点がメリットです。
ビルトインガレージは、防犯面でも優れています。居住する建物内の一部に車やバイクを駐車するため、イタズラや車上荒らしに遭うリスクを軽減可能です。
入口となる部分に頑丈なシャッターを設置しておけば、外部からの侵入を防げ、施錠管理も容易でしょう。ガレージの内部や入り口となる部分に防犯カメラを設置しておけば、さらに防犯性を高められます。
ビルトインガレージを採用すれば、土地に限りのある場合でも、愛車の駐車スペースを確保できます。1階部分を駐車スペースにしてその上を居住空間にすることで、小さな土地でも車やバイクの保管が可能です。
ビルトインガレージは、居住スペースとは別で屋外の駐車場を確保できない場合に有効な選択肢だと言えます。狭小地での住宅建築でお悩みの方にとって、ビルトインガレージは理想的な解決策となるでしょう。
一見メリットばかりに見えるビルトインガレージにも、考慮すべき課題があります。ここでは、ビルトインガレージのデメリットを詳しく解説しますので、きちんと理解を深めておきましょう。
ビルトインガレージ最大のデメリットは、1階部分の活用に制限がかかることです。1階に駐車スペースを確保する必要があるため、必然的にメインの居住空間は2階以上となります。
狭小地でビルトインガレージを採用する場合は、3階建てにするなどして、居住スペースを確保しなければなりません。このように、間取りの自由度が下がることを考慮しておきましょう。
居住空間の一部に車やバイクを収納するビルトインガレージでは、騒音や振動が悩みの原因となるケースも多いです。エンジン音や振動が居住スペース全体に伝わりやすいため、防音・制振対策が必須となります。
特にエンジン音や振動が伝わりやすい、駐車スペースの真上には寝室やリビングを配置しないなど、設計面での工夫も必要です。
居住空間と駐車スペースが一体となるビルトインガレージでは、排気ガスなどの臭い対策も必要です。居住空間への排気ガス流入を防ぐために、換気設備を必ず設置しましょう。
適切な換気システムを導入することで、快適な室内環境を維持できます。健康状態にも影響を与えるため、プロと相談しながら最適な換気設備を選ぶことが大切です。
ビルトインガレージには、メリットと同様に注意すべきことやデメリットも多いです。
快適なガレージライフを実現するためにも、ビルトインガレージを採用する際のポイントをきちんと理解しておきましょう。
ビルトインガレージのシャッターは、耐久性と操作性を重視しつつ、防犯性能にも注目して選びましょう。
シャッターを設けないのも一つの手段ですが、防犯性の観点でいうと設置することをおすすめします。また、利便性を重視するなら電動タイプがおすすめです。
電動シャッターでも一般的な巻き取り式からオーバータイプ式、スイングアップ式までさまざまなタイプがあります。
素材や形状によって価格帯も異なるため、目的に応じたシャッターを選択しましょう。さらにメンテナンス性も考慮することで、長期的に利用できます。
快適なガレージライフを実現するには、以下の設備の導入を検討しましょう。
・照明設備
・コンセント
・換気扇
・収納棚
・工具置き場
シャッターの有無に限らず、夜間の利用を考えると照明器具は必須の設備です。あわせてコンセントがあれば、電気自動車や電動自転車の充電や、電動工具の利用に便利です。
また、車やバイクの排気ガス対策に換気設備も大切。理想的なガレージライフを実現するため、必要な設備をピックアップしておきましょう。
ビルトインガレージを採用する際には、将来の車種変更を想定して設計してください。十分な広さを確保しておかなくては、乗り換えの際に車種が制限されてしまいます。
ビルトインガレージは、居住スペースと一体型であるため、完成後に変更するとなれば手間もコストもかかります。
将来の車種変更や台数の追加を想定して、余裕のある寸法設定を心がけましょう。
ビルトインガレージは、狭い土地でも駐車スペースを確保できると同時に防犯性も高い魅力的な設備です。しかし、騒音に悩まされたり将来の車選びに制限がでたりするなど、デメリットや注意点があることも事実です。
それでもビルトインガレージは、快適なライフスタイルを実現できる魅力的な選択肢です。ハビタットの経験豊富なコーディネーターに相談しながら、理想のガレージハウスを作り上げていきましょう。
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