さあ、夢だったマイホームを建てたい!
そう思って、インターネットで調べ始めたけど、家を建てる住宅メーカーや工務店の種類が多すぎて、どうやって選べばいいのかわからなくなってしまった……と悩んでいる方はいませんか?
ここでは、家づくりを考えたときの依頼先を、「住宅メーカー」と地元の「工務店」の2つに分け、両者の違いや選ぶときのポイントについて紹介します。
まず、「住宅メーカー」とはどんな会社でしょうか?
住宅メーカーは住宅を提供する会社で、全国展開している大企業が多くあります。「○○ホーム」「○○ハウス」といったブランド名をテレビCMなどで宣伝しているので知名度もあって、全国各地に住宅展示場があり、モデルハウスを見学できます。
住宅メーカーは建築部材を工場生産する割合が高く、統一規格の住宅について法的な認定を受ける「型式適合認定」を受けているので、建築確認申請時には書類の作成や審査が簡素化されます。
次に、「工務店」とは、住宅を含めた工事の全般を請け負う会社の総称になります。元々大工をしていた人が立ち上げた小さな工務店から、多くの社員が働き、地域の枠組みを超えて広いエリアで営業している大きな工務店まで、会社の規模はさまざまですが、基本は地域密着型で、地元に根差した会社となります。
両者の主な特徴と思われるものを次にまとめてみましたが、明確な定義がないため会社によっての違いも大きいので、参考としてご覧ください。
<住宅メーカーとは?>
1、仕様がある程度規格化されている
2、全国各地に支店がある
3、ブランド力、知名度がある
4、住宅展示場があり、モデルハウスを見学できる
5、会社の規模が比較的大きい
<地元の工務店とは?>
1、プランの自由度が高い
2、地域密着型
3、品質に対してのコストパフォーマンスが良い
4、保証制度など工務店によっての違いが大きい
5、会社の規模は比較的小さい
最も気になる点の一つは両者それぞれの住宅の品質ですが、違いはあるのでしょうか?
住宅メーカー、工務店は全国にたくさんあり、会社ごとにさまざまな特徴がありますが、品質に関しての違いはあまりないといえるでしょう。
住宅における保証というと大手住宅メーカーが得意なイメージがありますが、工務店の中には、一般的な期間よりさらに充実した長期保証を行っている会社もあります。施工品質に対する自信がある会社といえますので、こういった長期保証のある工務店を選べばより安心です。
また、耐震性、省エネなどの優れた特徴を売りにしている住宅メーカーは多いですが、それも住宅メーカーに特有のものではありません。工務店でも、地震に強い工法などを採用し、確かな耐震性の地震に強い家や、断熱、省エネなどに優れた燃費の良い家を売りにしている工務店もあります。
次に、価格についてです。住宅メーカーは価格が高いイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか?
住宅専門の新聞社が、住宅メーカー各社の坪単価、工務店の坪単価を比較したところ、住宅メーカー各社の方がより高くなっていました。一般的に、住宅メーカーでは、坪単価が工務店より高くなることが多いのですが、それはなぜでしょうか?
大手住宅メーカーの建築費用が高くなる大きな原因は、テレビCMなどのほか、建設費、維持費がかかるモデルハウスといった広告宣伝費が住宅価格に反映されてしまうからです。新しい技術や開発の投資費用もかかっています。
住宅展示場で住宅メーカーの家を見学すると、「うちでも低予算で建てられますよ」と営業担当者に勧められることもありますが、低予算を希望しても、希望に沿って計算していくと最終的にはある程度の価格になってしまうケースが多いようです。予算がある程度限られている場合は、地元の工務店を検討されるほうがおすすめでしょう。
一般的に工務店で家を建てる場合、住宅メーカーよりも低料金となることがほとんどです。広告宣伝費をあまりかけていないこと以外に、地元大工さんのネットワークを活かせるという利点もあります。
もう一つ、工務店に依頼するときの大きな長所は、個人の要望に柔軟に対応してくれるということです。
斬新なデザインや特殊な間取り、造り付け家具を多くしたいといった明確な要望がある場合はそれを実現してくれそうな地元の工務店を探してみるとよいでしょう。
「大きなガレージ」「倉庫付き住宅」「事務所兼自宅」などのこだわりのある家をつくりたい場合も同様です。
工務店の家づくりでは、「収納が多い家にしたい」「浴室にこだわりたい」「お洒落なアクセントカラーのある家にしたい」「高級感のある石床の部屋をつくりたい」など細かい要望をかなえやすいです。
また、工務店、住宅メーカー各社の実績を比較検討してみたときに、それぞれに魅力的でなかなか1社を選べないという人もいるでしょう。
迷ってしまって家づくりのイメージが固まらない人は、気になった会社にいくつか相談してみるのもいいかもしれません。担当者との相性というのも家づくりにはとても重要です。
施主のニーズをじっくり聞いて、吸い上げ、きちんと実現してくれそうな、頼りがいがあると思える担当者がいる会社を選ぶようにすることも家づくりの成功の秘訣です。
住宅メーカーに向く人、工務店に向く人
何か一つの物を購入するとき、あなたは「ブランド」の付いたものを持ちたいですか?
それとも、品質が良ければ、ブランドにはこだわりませんか?
大手住宅メーカーのテレビCMは好感度の高い俳優や女優が登場し、素敵な暮らしを演出した動画が流れます。そんな素敵なイメージが会社名やブランド名と結びつき、価格にも反映されているのです。
「住宅メーカーで建てるか、工務店で建てるか」の決め手は前述のブランドへのこだわりがあるかどうか、でも決まります。
「イメージ」「ブランド」にはこだわらない、「自分にとっての最適な家」という本質を追求したい、という方は工務店に向いているといえるでしょう。
たとえば、有名なブランドではないけど、使い心地の良いカバンや靴に出会ったことはないでしょうか? それはきっと、作り手の技術、品質が確かな商品なのです。
家の一番のメリットは、品質に対するコストパフォーマンスの良さといえます。地元の工務店は、ブランド名はいらないけど、「品質の良い家」を建てたい方におすすめです。
そのほか、「こんな家を建てたい」というこだわりがある人、特別な仕様のある家を建てたい人にも向いています。
さて、筆者自身は、親の家は大手住宅メーカーで、自分の家を注文したのは地元に根差した工務店でした。両方とも暮らしてみて、品質の違いは特に感じませんでした。
住宅メーカーの良さは理解できていましたが、コスパの良さと特別なこだわりがあった点で信頼できる工務店を探し、結果として納得ができる家づくりになりました。
住宅メーカー、工務店どちらを選んでも、あなた自身が満足できる家づくりができるのが一番です。
家づくりの一歩は、頼れるパートナー=依頼先を見つけることです。最初のステップとして、気になった会社に問い合わせるところからはじめてはいかがでしょうか。
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